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しらばり農園のまじめなマンゴー栽培を季節ごとに解説します
1月 ハウスの温度管理
マンゴー農家は実は冬場も忙しいんです。。。
この時期の栽培管理でその年の収穫量が決まってしまうといっても過言ではありません。とくにハウス内の温度管理はとても重要で、開花の状態を左右するこの時期の栽培がマンゴーの出来映えに影響します。ボイラーを使用しない当農園では日々の気温に気を配って、とにかくこまめに手をかけて管理しています。
また、枝の成長に合わせ、1本1本の枝になるべくたくさん太陽が当たるよう、それぞれに紐をかけて適切な場所に誘引します。気温が上がってくると花芽をもった枝の先端には、つぼみが現れます。花が咲き始めると水分を多く必要とするので、毎日の水やりが必要です。
1-2月 開花
12月頃から小さな芽が出始め、花穂へと成長して1月末頃から本格的に開花が始まります。1つの花穂に約1000の花が咲きますが、花といってもお花屋さんに並ぶような華やかな容姿ではなく、正直、匂いもあまり良いとはいえません。。。
開花後は、花を結実させるために、虫を放って受粉させます。虫の訪花活動(花に止まって花粉と蜜を集める)の適温は20~30℃なのですが、この時期の宮古島は気温が20度を下回ることがあります。気温が下がると、虫たちが思うように活動しないので、温度管理にとても気を遣います。受粉がうまくいかない花は種無しマンゴー(通商:ミニマンゴー)になってしまいます。
ミニマンゴーは希少なフルーツとして人気が出てきています。当農園でもミニマンゴーを使った加工品の試作をはじめてみようと思っています。
2-3月 みつばちによる受粉
受粉時期にはボイラーを使用して環境をコントロールすると収穫時期や収穫量が安定して効率的な経営ができるのですが、当農園は自然環境に近い『非加温栽培』にこだわっています。
3-4月 花吊りと病気対策
開花期は木が多くの水分を必要とするので、多めに水を撒きますが、ハウス内の湿度が上がり過ぎると炭疽病やうどんこ病が発生してしまいます。そのため、ハウスの換気をこまめに行って、病気にかかった花や実の摘出と処分を徹底しています。
花芽から花穂へと成長していく過程で、花穂が互いに重なり合うのを防いで、全てのつぼみに陽が当たるように、一本一本手作業で吊り下げていきます。マンゴーの花は急速に成長するのでその重みで枝が折れること防ぐ意味合いもあります。
3-4月 摘果
南国の太陽をいっぱいに浴びて育った花穂には大豆程のマンゴーが20~30個つきます。種無しのマンゴーを見極めて、受精したと思われる果実のみを残して摘果します。最終的にはそれぞれの木のバランスを見ながら、ひとつの枝に1-2個の実に摘果します。早い時期に摘果をすることにより果実に行き渡る養分を集中させます。
4月 枝吊り
結実したマンゴーは農赤色になりピンポン玉ぐらいの大きさになります。摘果されたマンゴーはどんどん大きくなるので、それぞれに太陽がよく当たるよう、紐でひとつひとつ吊り上げていきます。成長していく中で、風で揺れる枝や葉が実を傷つけないように配慮することも必要な繊細作業です。 この時期に有機肥料をあたえて美味しい実に育てていきます。
開花以降の土壌乾燥は実が落ちる原因となるので、こまめな水撒きをします。
5月 袋がけ
[ 袋がけ ]・・・マンゴーは完熟すると自らの重みで自然に枝から落ちるという性質を持っています。大きく紫紅色になったマンゴーにひとつづつ白色の袋をかけていきます。完熟した際、地面に落ちることを防ぐとともに、南国の強い日差しでマンゴーが日焼けすることを防ぐ意味合いもあります。
袋をかける時期が早いと果実の色が悪くなり、遅いと病気になりやすいので、時期の見極めに豊富なノウハウが必要です。
6月 収穫間近
マンゴーの実は、完熟前になると濃い紫の部分が真っ赤に、緑色の部分がオレンジ色に変り、実からは甘く濃厚な芳香が漂います。マンゴーの収穫時期は約1ヶ月です。非加温栽培している当農園では毎年の気温によって、時期が半月程前後することがあります。
事前に納品時期をお伝えできないのは本当に申し訳ないのですが、自然な恵みを今しばらくお待ちください。
6月 出荷前検査
糖度や色づき、日持ちの具合などを計ります。当農園の独自の基準に達しない限り出荷は行いません。
7-8月 出荷の最盛期
当農園では実が完熟して自然落下した「完熟マンゴー」のみを収穫して出荷することにこだわっています。毎日、朝昼夕に何度も農園を回って収穫を行います。併設している作業場では色や大きさにより選別作業を行った上、化粧箱に優しく梱包して、お客様の元へ直接出荷しています。
7-8月 丁寧な梱包
ご贈答用の商品は化粧箱に入れてお届けしています。マンゴーは表皮や果実がとても柔らかいので、丁寧な取り扱いが必要です。強くつかんだり、固いものにぶつけてしまうと、果実の組織が壊れて傷みが早まります。当農園では実はもちろん、箱の中にも緩衝材をいれて、輸送によって傷みが出ないように大切に取り扱っています。
8-9月 土壌改善
マンゴーの収穫が終わると枝の剪定をします。それから果痕枝(かこんし:果実を収穫した後の枝)や剪定後の枝から新芽が出てきます。 弱っている樹に肥料を与えて樹勢を回復させます。
この月はたっぷりと水をあたえます。6月から収穫が始まり、木から実が少なくなっていくとそれまで実にほぼ全ての栄養を吸われていた木は、急に勢いを取り戻し、成長をはじめます。 暑い盛りなので、十分に水をあたえ、伸びすぎた枝を切って、まんべんなく木全体に陽が当たるように、樹形を整えます。
8月 キーツマンゴー
市場でもあまり取引されていませんが、アップルマンゴーよりもさらに濃厚な甘みと芳醇な香りを誇る希少なプレミアムフルーツです。キーツマンゴーは収穫後、追熟の期間が必要になるので、食べ頃の時期の見極めにコツが必要です。
加工食品
天然のアイスクリームのようになめらかでたっぷりの甘みが広がる冷凍マンゴーはそのまま食べても抜群ですが、スイーツの材料としても人気です。当農園ではB品を冷凍するのではなく、出荷基準をクリアしたマンゴーのみを使用しています。
宮古島の太陽のみで非加温栽培。しらばり農園の完熟マンゴー
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